借景生活

あなたは自分の人生対してつねに冷めている。

とお客に言われた。

みんなが
救いを求める
夜のはしっこでね。

空には星。
星。
ああ、
もっとたくさん星が見える
キリリと冷えた山へ

甘ったるい
缶コーヒーと。
愛しい誰かのポケットと。

また、人生が勝手に加速度をつけて
滑り出す。
つるつると滑るから
たてやしないじゃない。
そのまま、
お尻で
びゅーんって
びゅーんて
どこまで滑れるかしら?
ってとこ。

背の高い年上の女に
ハイヒールで踏まれたいと言った青年実業家に
あと私の年が5歳上だったら
口説いていたと言われた。
「意志的な顔」をしている女が好きなんだってさ。
私は「意志的な顔」なのだってさ。

彼は自分がデブで醜悪であると言うコンプレックスを
最大のパワーに変換する装置を
自分の中に作ることに成功したと
言っていたのだけど
それでもやっぱり
踏まれたい欲望が捨てられない。
というか
むしろ
どんどんと膨らみはじめてる。
んだって。
これって彼にとって
すごいピュワな欲望。
蹴ってくれたら
毎月200万のお手当なんて
笑って言う。

彼は歪んでいるのか
はたまた
世界が歪んだのか
それとも、
もともと歪んだ世界が
こうやって
わたしの目の届かないように
すっぽりと
覆い隠されていたのか。

女友達と
おっきいホールのライブに行って
ピョンピョン跳びはねて
「ひ〜!スーさんかっこいい〜!」
とか(あんまり思ってなくとも)
中学生と共に絶叫してみたり
周りの女子に同調したり。

大人だからこそ
こういう無心になる時間は
とてもとても必要なのだ。と
そう、話し合う。

ライブの後、
沖縄料理を食べて
西表の時に毎日飲んでいた八重泉を
さんぴん茶で割ったら
懐かしくて
懐かしくて
涙がでそう。
出産祝い送らなきゃ。

ゴーヤのクリームチーズ和え美味しかったなあ。
私の大好物の「麩チャンプルー」も。

雪が降る夢を見た朝、
カーテンを開けたら
外が青白くて
「雪」だ!
と思って窓を開けたら
白いだけの冬の朝。

さあ、
加速度つけて
お尻で進め。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-12-23 09:02 | TEXT

奇妙な誕生日。

12日で28歳になりました。
なんだかゴゴゴーッと人生が動きました。
そんな1日でした。
おめでとうメールをくれる友人がいて
10年来の友人が
アンティークのティーセットをプレゼントしてくれました。
本当にありがたいです。
覚えていてくれて
わたしはすごく嬉しかったです。

そして、7ヶ月ぶりに
春まで好きだったひとに会いました。
何ともヘンテコに心がぎゅうっとなるのですね。
もはや恋じゃない(だって完璧にふられたのですから)けれど
笑った時のえくぼや、ニッと笑った歯並びや表情を見ていたら
遠くで笑いながら
大好きだったことを
生々しい温度で思い出しました。

もう、死ぬまで
会うことはないかもしれません。
そう思ったら
泣きたくなる感じで悲しくなりました。

恋をしていた頃の
もどかしさを
その愛しさを
ずっとずっと
忘れてた。
忘れようと
必死に
心の奥に凍らせてきたのに。
ただ、近くにいるだけで
一瞬で
解凍されてしまったよ。

ケーキを買ってくれてありがとう。
その優しさが
わたしはとても愛しかった。
たとえ、
二度と会わない人生でも。

夜中の4時に
自転車で走りながら
涙が出た。

朝が近づいているのが
怖くて
涙がでた。
寒くて
心細くて
涙がでる。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-12-14 05:20 | TEXT

走れ走れ走れ走れとタダ伝えろよシナプスに。

夜の仕事が終わって
運悪く
送りオオカミに遭遇。
深夜の墓の前に車を止められて
迫られて
なんだかうんざりして
吐き気がした。
男という生物にね。

でも、
膀胱癌に冒された
目の前にいるこの父親みたいな男のひとの
死の恐怖を思うと
セックスセックスと
強迫観念みたいに
迫ってくる言葉も
まわりを取り囲む
何千という数のお墓も、
刹那的な哀しさを帯びているように見えた。
何かから逃げたいからなのかもしれない。
それは
死とか現実とか
夢とか未来とか恐怖とか。
彼の目には
この数千の墓石が
どんな風に見えるのだろうか。

結局、丁寧にお断りしたら
素直に何もせずに送り届けてくれた。

くだらない世間話、
聞き流すための会話
セックスセックスセックス。
そんなことしか
共通言語にならない夜の世界で
(すごく勉強になることも多いけど)

みんなが
愛が足りないと
一人はさみしいと
震えているみたいに見える。
不思議だね。

走れ走れ走れと
ただ指令を送るしかないのに。
目をつぶってもとにかく走るしかないのだよ。

このドロドロの沼の底から
いつかキラキラした王子様が助けてくれるかしらなんて。

二年前のあの日に
王子様は死にました。
その日から
クラウチングスタートダッシュで
泣きながら
走れ走れ走る走れば走るなり。
脳が豆腐に変わるまで
愛しい記憶が
流れていく景色になるまで
涙が
蒸発して
いつかの雲に
変わるまで。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-10-13 03:19

ちっちゃくて可愛くておっぱいのでかかった女の子。

自分を形容してください。

箇条書きで。
客観的事実だけを。
主観のみで。

A.フリーのデザイナー
B.イラストレーター 
C.ベトナム料理屋のキッチン
D.派遣会社のデザイナーのA子さん
E.夜の蝶
D.27歳
F.女
G.双子
H.独身

まるで万華鏡のように
複数の場所に
複数の役割をこなす自分がいて
まるで小学生の時間割みたいに
A-B-C-D-Eをこなしている。

もし、運悪く
殺されてバラバラにされてしまったら
岡崎京子の「チワワちゃん」みたく
なってしまうなと
我ながら危惧している。

きっと
「チワワちゃんと一緒に働いていたベトナム料理屋のバイト君の話」とか
「チワワちゃんが働いていた夜のマスターの話」とか
「チワワちゃんが派遣されていたデザイン事務所の話」とか
「チワワちゃんと昔つきあっていた恋人の話」とか
「チワワちゃんと仕事をしていた代理店の社員の話」とか
「チワワちゃんの学生時代の友人の話」とか
ありとあらゆる人が私を語ったら

きっとチワワちゃんと同じになるだろう。

あそんだり
おしゃべりしたり
なやみをうちあけたり
バカ話したり
キスしたり
セックスしたり
恋したり
憎んだりした人もしたけれど

「本当はチワワちゃんのことを何も知らなかった。」
そして
「きっとチワワちゃんも自分がなんなのかきっとよくわからなかったと思う。」
という岡崎京子的な結論へ向かうだろう。

今日、ひさしぶりに寝坊して
夢を見た。

知らない外国人と、知らない男のひとがでてきて
私をギュッと抱きしめると
「これからはもう大丈夫だよ」と言った。
(一体、何が大丈夫なんだ......?)
その人たちは知らない人だったけれど
体温があったかくて
目をつぶって
胸に耳をつけて
心臓の音を聞いて
男のひとは温かいなぁと
久しぶりに優しい気持ちになって
ゴツゴツした腕の感触って愛しいなぁと
思っていたら
目が覚めた。

そこは、肌寒くなったリアルな秋。
そして、ぽつん。
嗚呼、さびしいぜ。

しかし、
チワワちゃんみたく
夜中の三時に
チワワちゃんの沈んだ海に
ワインと花を持って来てくれる仲間が
果たしているだろうか...。

私の場合、ワインと花ではなくて
加ト吉の讃岐うどんと甘いスイーツ!
って
絵的にどうなのよ。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-10-04 11:46 | BOOKS

猫と石榴と流し目と。

トカゲが背の高い雑草を
螺旋階段を登るようにあがっていく。

雑草にはかすみ草のような生成色の小さな綿毛の花。
とかげが静かに
てっぺんにのぼると
こちらに自慢げな顔で一瞥する。
朝日。
そしてくるくると
螺旋階段を下る。

とかげ。

ボロアパートから体操座りで朝の庭をながめる。

隣の庭のザクロの実。
ひとつだけ
まだ緑の
夏みかん。
ピンクの
フラミンゴ。


ひとつない
ミントスカッシュみたいな
秋の朝。
とかげも
こうやって遊ぶんだね。

猫の気配がして
庭に目をやると

キリリと凛とした目をした猫。
媚びることのない
流し目で。

食べかけのフランスパンをあげようとしたら
去っていく
優雅なしっぽ。

猫のような女になりたい。

大人になって
そう思うよ。

優雅なしっぽ。
振り返ることのない
飄々とした
メスの野良猫。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-10-01 17:12 | TEXT

彼のファムファタルのために作戦は深夜。

10代の頃。
わたしは彼のファムファタルだった。
少なくとも。
たぶん、あのころは。

10年経った今は
彼はわたしの男友達。
というか、
今では
本当に大好きだったひとりをのぞいて、
昔の恋人だったひとは友達になった。

背が高くてひょろひょろだった彼も
いつのまにか
すっかり男のひとに変わった。
前には飲めなかったお酒を
それでも
真っ赤になりながら
飲む。

彼のプロポーズの作戦を
私が練りながら
「もし彼女が車にひかれそうになったら身代わりでひかれられる?」
と聞くと
「うん。できる」
と答える。
「昔はわたしのことも助けてくれるって言ってたのにね」と笑って言うと
「今は無理。助けられない」
と真顔で答える。
そして私は
「車の方を自分ではね飛ばして破壊してやるから助けてくれなくていいよ。」
と笑って憎まれ口をたたく。

そして
ずっとずっと忘れられなかった恋人が
連絡をとっても、返事がないのはどういう気持なのかな?と聞くと
「嫌なんだよ。すごくキライなんじゃない。」
「それか無関心。無関心よりもキライな方がいいじゃんまだ。」
とクールに言い放つ。
全く冷たい男だ。

でも、わたしは勘違いしていたのかもしれない。
都合のいいように。
連絡をとらないのは
中途半端に期待を持たせてはいけないという彼の優しさなのだと
勝手に思いこんでいた。
でも、
彼の言うように
本当にわたしのことが、
共有した時間の全てが
全部キライで、捨てたい過去だとしたら
うざい。
わたしという存在全てが
このうえなく
ウザッたかったのかもしれない。

ごめん。
消したかったよね。
キライなんだもんね。
2年半も
ずっと好きなままでごめん。

もう、二度と口にしないと心に決めた。
愛しい想い出はすべて
誰か脳から消してよ。

すっかり酔って
ごろんと眠そうな彼に
「がんばれー」とエールを送って
仕事のまつ部屋へ帰る。

きっと
私の作戦は成功して
彼は結婚をするだろう。
こうやって
どんどんと
わたしはひとりになるね。

朝起きたら寒さで震えていて
もう
冬の匂いが
部屋にたちこめていた。

ココアでもいれよう。
私の作戦がうまくいったら
何か旨いものでもおごってもらわなきゃ。
がんばれー。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-09-27 16:15 | TEXT

歯医者さんが大好きですがあなたではございません。

6色の色えんぴつならぬ、6色シャープペン。
ノック?部分が「歯」の形でね、
芯もちゃんと色になっているの。
歯医者さんから誕生日のお祝いに
プレゼントしていただいた。
小学校ではシャープペンは禁止されていた
まだ、珍しかった頃の話。

その時から、
いいや、そのずっと前から
性質として
歯医者さんがだいすきなのだ。
保育園生のちっちゃな頃から。
いまもずうっとね。

クラシックが流れていて、
薬品の匂いがして
眩しいオレンジの光
ひんやりとしていて
受付に絵本。

昔、出っ歯の疑い(ママが極度の出っ歯であったが、現在は差し歯なのでもうない)
をかなり心配したママによって
毎月のように歯科に通わされていた。
そんな経過もあったが
ややでっぱっているが極度の出っ歯ではないので
結局、歯列矯正はまのがれた。

いつもあの椅子に座ったとたん
うっとりと眠くなり
口を開けたまま眠り
「終わりましたよ〜起きてね」という
歯医者さんの声で起きる。
そんな子供でした。

最近、なんだか奥歯がずんずんとするので
先月オープンした近所の歯医者に行ってみた。
最新のレントゲンシステム、痛くない人肌の温度をゆっくり注入するエアガンみたいな麻酔、神経を抜くのもレーザーみたいな機械で昔みたいに、キリキリと痛いこともない。なんとも進化したものね。
歯を削られながら、
歯医者嫌いはこの「キーンカリカリ」という音が駄目なんだろうなあ。
私には面白いリズムに聞こえるんだけれど。
「キーンカリカリ」が
「ピヨピヨ」とか
「ポヨンポヨン」だったら
きっと痛くないかもねえ
なんて考えてたら
あっという間に終了。

若い歯医者さんが
「痛くないですからね。痛くしませんよ。すぐ終わりますからねえ」と
(今年28歳になるような私に)
子供をあやす口調で繰り返し言うものですから

「私、歯医者さんが大好きなんです。だから痛いのも大丈夫ですよ」と
ニコニコ答えると、

ポッとその先生の顔が赤らんでうつむいて照れ笑いした後、
「えっ?痛くした方がいいんですか」と
意味ありげの口調で聞き返された。

ハッとしたが、時はすでに遅し。

「歯医者さんが大好きなんです。」イコール
「歯医者さん(人物・あなたを含む)が大好きです。」という意味になり、

「痛いのも大丈夫ですよ」イコール
「痛いの好きなの!なるべく痛くしてね(ハート)」

という「歯医者さん狙いのM女」的発言に間違われたよう。

「痛いのは嫌いですので、できれば痛くない方で...。」
とやんわりとM女を否定しつつ、
「歯医者が大好きですがあなたではございません!」と
心の中で絶叫。

歯医者さんは相変わらず大好きだけれど
医療費は極貧の身に染み渡り、
治療よりもずっと痛い。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-09-19 16:09 | TEXT

青いしゃぶしゃぶ。空にビフテキ。

赤福かき氷。松阪牛の牛鍋。ふわふわの穴子の握り。秋刀魚、赤貝、えんがわ、カニ味噌、渡りカニのカニ汁。

祭り囃子。招き猫の獅子舞(猫舞?)
空にビフテキ。
露天風呂。
アウトレット。

9ヶ月と18日遅れの初詣。
そう、
野次さん喜多さんも
目指すは
伊勢神宮。
だいすきな
おかげ横町。

女3人のぶらりドライブ。
自分で運転して行くのは初めてで、
私も一丁前の大人になったものです。

晴れ女の私の行く道はどこまでも青く、
おしゃべり果てしなく
裸の彼女たちのおっぱいを眺めながら
終わってしまった夏を偲ぶ
遊園地の花火に
大声で「ちょうちょちょうちょー!うわあああ。キレー!」などと
叫びながら

1日というのは過ごし方次第で
こんなにも長くて楽しくて愛しいのだ。

通りゆく季節を
毒を吐き出す、キラキラ美しい四日市の夜景を
いくつかの街を
海を
彼岸花を
通り過ぎ

「(男の子と)デートしてえええええええええええええ」
「(男の子と)手とかつなぎてえええええええええええ」と
切実に愛を叫ぶ
わたしと彼女。

あまてらす 様
頼みます。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-09-19 11:28 | FOODS

あなたのいない世界でずっとあなたが来るのを待っていたんだよ。

うっかり
セカチューこと世界の中心で愛を叫ぶの最終回を観てしまった。

あの本を手に取ったのは
ブームになるずっとずっと前。
本屋の片隅に置かれたあの本をなんとなく買った。
まだ、柴咲コウの帯もついていなかったような気がする。

家族の重大な問題を抱えていて
大切だった恋人にも逃げられ
のちに、
終わらない夜の中にいってしまった
弟にあげることになって
私にとっては苦い苦い想い出の本。
こんなにブームになる本だと思わなかったけど。
わたしたち家族にとって意味を持つ本。
東京まで何度も通った
雨の中野のあの道を思い出す。
悔しくて
情けなくて
しゃがんで泣いていた階段も。

夕方、お昼寝をして起きたら泣いていた。
いつものことだ(笑)
ぼんやりした誰か男の人にしがみついて
なきじゃくって目が覚めた。

大切な人を失って、けれど彼は生きていて、
笑ったり、恋をしたりしているのだろう。
ずっとずっともう2年半もたつのに
泣いて目が覚める。
悲恋は死をもって物語へと美しく転化されるけれど、
生きているのはとてもリアルで残酷だ。

この前、大好きだったあの人が夢にでてきた。
何にもなくまだ、仲良しだった頃みたいな無邪気な顔をして
寝ころがっていた私の上にふざけて乗ってキスをした。
「ひとりにしてごめんね」と屈託なく笑った。

笑ったまま幸福な気持ちで目が覚めて、
朝なのに
思わず泣いてしまった。
彼の重さや、手や髪の感触や、吐く息や、匂いが
あんまりにも生々しく優しかったから。

でも、
もう本当は思い出せないの。
彼の重さも、手や髪の感触も、吐く息も、匂いも。

ただ、
願っても、
大事に大事にしても
頑張っても
決して
手に入らないものが
この世界にはあることを知った。
それは私の人生にとって
最大の出来事。

痛い。
痛い。


心が潰れるような痛み。

その痛みを乗り越える時、
きっと前よりううんと
次に出会う大切なひとに
優しくできると
思いながら
3回目の彼のいない秋が
やってきてしまった。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-09-10 23:42 | BOOKS

めいっぱい十分に不思議ちゃん。

その昔、絵を描いていた。
きっと自分はイラストレーターにでもなって、
ぷぷぷ〜っと楽しく暮らす大人になるのね!
とぼんやりと思っていた。
まさか、この年で自分の力で
自分の夢を叶えるためとはいえ、
夜の蝶になるとは思うわけもなく。
ぷぷぷ〜っと楽しく暮らす大人にはなれたけれども。
自分の空間を構築できるまであと2年。
ストイックな環境で自分を試す時。

あきらかにバックボーンの異なる人種が夜に彷徨っている。
教祖、親分さん、よくわからない先生、社長に会長、元やんちゃ、ママ、よくわからないおじさん、ノリのよい酒焼けした可愛いおねえさん。
ぐちゃぐちゃのそれぞれの人生が集結して、ひとつの空間、ひとつの夜を共有する不思議。あきらかに、そう、あきらかに場違い。あきらかに、私だけかなりの不思議ちゃんキャラである。タイムトリップした原始人みたい。ぷぷぷ〜だ。しかも、華もない。そして、もはや年齢でちやほやされる年ではない。話術もない。タバコも吸わない。歌わない。面白い小話ひとつもできない。声もちいさい。茶髪ではない。
でも、人間を観ているだけで小説を何本も書けそうにドラマチックである。
そして、「偏見」という名の差別的な感情は
しゃぼん玉のように消えていく。
浪人までして大学に二つも行って、デザインにかぶれて、
何となくこれよくな〜いみたいな感じ?の横文字の世界で
そんな杓子定規で世界に線引きしていたじぶんの屈折した世界観。
酒と歌の前ではただの使えない粗大ゴミ。

でも、ひとつだけリアルなこと。
女である以上、美しいに越したことはない。
美人の前で、美人というだけでは不愉快な気分にはならない。
自分がいかに今まで、美に対して無頓着過ぎたかを痛感する。
学歴とか、自分の仕事とか、特技とか、そんな説明を抜きにしたって
美しい人は、そこにいるだけで何にもなくても人をうっとりさせる。
なくてもいいけど、あったらもっといい。
努力でなれるなら、していないのは怠慢だった。
話も面白くなければつまんないけれど。
ひとを無条件にうっとり幸福にする後光でも放ちたい。

例えば、腕に残る根性焼きの跡。ただ、「痛い人」と切り捨てることもできるけれど、なんだか勲章のように思う時がある。その人が抱えてきた人生の、乗り越えてきた過去の、愛しい時間がそこにある。自分とは遙か遠い世界で、笑ったり、怖い思いをしたり、悲しかったりする、この人の過去は愛おしいと思う。彼らの消したい過去であっても。
そう、思える前提は、彼らが通り過ぎる物語であるからだと知っている私こそ、
究極の偏見のかたまりだ。
しかし、そうである以上、真摯に思うのは
このただ一つの夜を幸福に過ごしてもらいたいと思う。
わたしも。あなたも。
[PR]
# by 1egg2min | 2004-09-08 00:47 | TEXT