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奇妙な誕生日。

12日で28歳になりました。
なんだかゴゴゴーッと人生が動きました。
そんな1日でした。
おめでとうメールをくれる友人がいて
10年来の友人が
アンティークのティーセットをプレゼントしてくれました。
本当にありがたいです。
覚えていてくれて
わたしはすごく嬉しかったです。

そして、7ヶ月ぶりに
春まで好きだったひとに会いました。
何ともヘンテコに心がぎゅうっとなるのですね。
もはや恋じゃない(だって完璧にふられたのですから)けれど
笑った時のえくぼや、ニッと笑った歯並びや表情を見ていたら
遠くで笑いながら
大好きだったことを
生々しい温度で思い出しました。

もう、死ぬまで
会うことはないかもしれません。
そう思ったら
泣きたくなる感じで悲しくなりました。

恋をしていた頃の
もどかしさを
その愛しさを
ずっとずっと
忘れてた。
忘れようと
必死に
心の奥に凍らせてきたのに。
ただ、近くにいるだけで
一瞬で
解凍されてしまったよ。

ケーキを買ってくれてありがとう。
その優しさが
わたしはとても愛しかった。
たとえ、
二度と会わない人生でも。

夜中の4時に
自転車で走りながら
涙が出た。

朝が近づいているのが
怖くて
涙がでた。
寒くて
心細くて
涙がでる。
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by 1egg2min | 2004-12-14 05:20 | TEXT

猫と石榴と流し目と。

トカゲが背の高い雑草を
螺旋階段を登るようにあがっていく。

雑草にはかすみ草のような生成色の小さな綿毛の花。
とかげが静かに
てっぺんにのぼると
こちらに自慢げな顔で一瞥する。
朝日。
そしてくるくると
螺旋階段を下る。

とかげ。

ボロアパートから体操座りで朝の庭をながめる。

隣の庭のザクロの実。
ひとつだけ
まだ緑の
夏みかん。
ピンクの
フラミンゴ。


ひとつない
ミントスカッシュみたいな
秋の朝。
とかげも
こうやって遊ぶんだね。

猫の気配がして
庭に目をやると

キリリと凛とした目をした猫。
媚びることのない
流し目で。

食べかけのフランスパンをあげようとしたら
去っていく
優雅なしっぽ。

猫のような女になりたい。

大人になって
そう思うよ。

優雅なしっぽ。
振り返ることのない
飄々とした
メスの野良猫。
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by 1egg2min | 2004-10-01 17:12 | TEXT

彼のファムファタルのために作戦は深夜。

10代の頃。
わたしは彼のファムファタルだった。
少なくとも。
たぶん、あのころは。

10年経った今は
彼はわたしの男友達。
というか、
今では
本当に大好きだったひとりをのぞいて、
昔の恋人だったひとは友達になった。

背が高くてひょろひょろだった彼も
いつのまにか
すっかり男のひとに変わった。
前には飲めなかったお酒を
それでも
真っ赤になりながら
飲む。

彼のプロポーズの作戦を
私が練りながら
「もし彼女が車にひかれそうになったら身代わりでひかれられる?」
と聞くと
「うん。できる」
と答える。
「昔はわたしのことも助けてくれるって言ってたのにね」と笑って言うと
「今は無理。助けられない」
と真顔で答える。
そして私は
「車の方を自分ではね飛ばして破壊してやるから助けてくれなくていいよ。」
と笑って憎まれ口をたたく。

そして
ずっとずっと忘れられなかった恋人が
連絡をとっても、返事がないのはどういう気持なのかな?と聞くと
「嫌なんだよ。すごくキライなんじゃない。」
「それか無関心。無関心よりもキライな方がいいじゃんまだ。」
とクールに言い放つ。
全く冷たい男だ。

でも、わたしは勘違いしていたのかもしれない。
都合のいいように。
連絡をとらないのは
中途半端に期待を持たせてはいけないという彼の優しさなのだと
勝手に思いこんでいた。
でも、
彼の言うように
本当にわたしのことが、
共有した時間の全てが
全部キライで、捨てたい過去だとしたら
うざい。
わたしという存在全てが
このうえなく
ウザッたかったのかもしれない。

ごめん。
消したかったよね。
キライなんだもんね。
2年半も
ずっと好きなままでごめん。

もう、二度と口にしないと心に決めた。
愛しい想い出はすべて
誰か脳から消してよ。

すっかり酔って
ごろんと眠そうな彼に
「がんばれー」とエールを送って
仕事のまつ部屋へ帰る。

きっと
私の作戦は成功して
彼は結婚をするだろう。
こうやって
どんどんと
わたしはひとりになるね。

朝起きたら寒さで震えていて
もう
冬の匂いが
部屋にたちこめていた。

ココアでもいれよう。
私の作戦がうまくいったら
何か旨いものでもおごってもらわなきゃ。
がんばれー。
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by 1egg2min | 2004-09-27 16:15 | TEXT

歯医者さんが大好きですがあなたではございません。

6色の色えんぴつならぬ、6色シャープペン。
ノック?部分が「歯」の形でね、
芯もちゃんと色になっているの。
歯医者さんから誕生日のお祝いに
プレゼントしていただいた。
小学校ではシャープペンは禁止されていた
まだ、珍しかった頃の話。

その時から、
いいや、そのずっと前から
性質として
歯医者さんがだいすきなのだ。
保育園生のちっちゃな頃から。
いまもずうっとね。

クラシックが流れていて、
薬品の匂いがして
眩しいオレンジの光
ひんやりとしていて
受付に絵本。

昔、出っ歯の疑い(ママが極度の出っ歯であったが、現在は差し歯なのでもうない)
をかなり心配したママによって
毎月のように歯科に通わされていた。
そんな経過もあったが
ややでっぱっているが極度の出っ歯ではないので
結局、歯列矯正はまのがれた。

いつもあの椅子に座ったとたん
うっとりと眠くなり
口を開けたまま眠り
「終わりましたよ〜起きてね」という
歯医者さんの声で起きる。
そんな子供でした。

最近、なんだか奥歯がずんずんとするので
先月オープンした近所の歯医者に行ってみた。
最新のレントゲンシステム、痛くない人肌の温度をゆっくり注入するエアガンみたいな麻酔、神経を抜くのもレーザーみたいな機械で昔みたいに、キリキリと痛いこともない。なんとも進化したものね。
歯を削られながら、
歯医者嫌いはこの「キーンカリカリ」という音が駄目なんだろうなあ。
私には面白いリズムに聞こえるんだけれど。
「キーンカリカリ」が
「ピヨピヨ」とか
「ポヨンポヨン」だったら
きっと痛くないかもねえ
なんて考えてたら
あっという間に終了。

若い歯医者さんが
「痛くないですからね。痛くしませんよ。すぐ終わりますからねえ」と
(今年28歳になるような私に)
子供をあやす口調で繰り返し言うものですから

「私、歯医者さんが大好きなんです。だから痛いのも大丈夫ですよ」と
ニコニコ答えると、

ポッとその先生の顔が赤らんでうつむいて照れ笑いした後、
「えっ?痛くした方がいいんですか」と
意味ありげの口調で聞き返された。

ハッとしたが、時はすでに遅し。

「歯医者さんが大好きなんです。」イコール
「歯医者さん(人物・あなたを含む)が大好きです。」という意味になり、

「痛いのも大丈夫ですよ」イコール
「痛いの好きなの!なるべく痛くしてね(ハート)」

という「歯医者さん狙いのM女」的発言に間違われたよう。

「痛いのは嫌いですので、できれば痛くない方で...。」
とやんわりとM女を否定しつつ、
「歯医者が大好きですがあなたではございません!」と
心の中で絶叫。

歯医者さんは相変わらず大好きだけれど
医療費は極貧の身に染み渡り、
治療よりもずっと痛い。
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by 1egg2min | 2004-09-19 16:09 | TEXT

めいっぱい十分に不思議ちゃん。

その昔、絵を描いていた。
きっと自分はイラストレーターにでもなって、
ぷぷぷ〜っと楽しく暮らす大人になるのね!
とぼんやりと思っていた。
まさか、この年で自分の力で
自分の夢を叶えるためとはいえ、
夜の蝶になるとは思うわけもなく。
ぷぷぷ〜っと楽しく暮らす大人にはなれたけれども。
自分の空間を構築できるまであと2年。
ストイックな環境で自分を試す時。

あきらかにバックボーンの異なる人種が夜に彷徨っている。
教祖、親分さん、よくわからない先生、社長に会長、元やんちゃ、ママ、よくわからないおじさん、ノリのよい酒焼けした可愛いおねえさん。
ぐちゃぐちゃのそれぞれの人生が集結して、ひとつの空間、ひとつの夜を共有する不思議。あきらかに、そう、あきらかに場違い。あきらかに、私だけかなりの不思議ちゃんキャラである。タイムトリップした原始人みたい。ぷぷぷ〜だ。しかも、華もない。そして、もはや年齢でちやほやされる年ではない。話術もない。タバコも吸わない。歌わない。面白い小話ひとつもできない。声もちいさい。茶髪ではない。
でも、人間を観ているだけで小説を何本も書けそうにドラマチックである。
そして、「偏見」という名の差別的な感情は
しゃぼん玉のように消えていく。
浪人までして大学に二つも行って、デザインにかぶれて、
何となくこれよくな〜いみたいな感じ?の横文字の世界で
そんな杓子定規で世界に線引きしていたじぶんの屈折した世界観。
酒と歌の前ではただの使えない粗大ゴミ。

でも、ひとつだけリアルなこと。
女である以上、美しいに越したことはない。
美人の前で、美人というだけでは不愉快な気分にはならない。
自分がいかに今まで、美に対して無頓着過ぎたかを痛感する。
学歴とか、自分の仕事とか、特技とか、そんな説明を抜きにしたって
美しい人は、そこにいるだけで何にもなくても人をうっとりさせる。
なくてもいいけど、あったらもっといい。
努力でなれるなら、していないのは怠慢だった。
話も面白くなければつまんないけれど。
ひとを無条件にうっとり幸福にする後光でも放ちたい。

例えば、腕に残る根性焼きの跡。ただ、「痛い人」と切り捨てることもできるけれど、なんだか勲章のように思う時がある。その人が抱えてきた人生の、乗り越えてきた過去の、愛しい時間がそこにある。自分とは遙か遠い世界で、笑ったり、怖い思いをしたり、悲しかったりする、この人の過去は愛おしいと思う。彼らの消したい過去であっても。
そう、思える前提は、彼らが通り過ぎる物語であるからだと知っている私こそ、
究極の偏見のかたまりだ。
しかし、そうである以上、真摯に思うのは
このただ一つの夜を幸福に過ごしてもらいたいと思う。
わたしも。あなたも。
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by 1egg2min | 2004-09-08 00:47 | TEXT

隣の庭の、柘榴と青い夏みかん。

タイフーンが秋をぐいぐいと連れてきました。
だらんと暑い夏はあっという間に過ぎ去り、
隣の庭には、柘榴の実と夏みかん。

ネット環境がダウンしていたので
やれやれと思っていたら
2ヶ月も更新をさぼってしまった。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

隣の部屋の若者が
いけない植物を育てているのを発見してしまったり、
夜の蝶になったり、
深夜の海でスイカ割りをしたり、
お洗濯したり、
大好きな沖縄の友達に赤ちゃんが生まれたり、
夏フェスに行ったり、

ゆるりと無音で
季節は動いていて

そして、芋です。栗です。

秋は炊き込みご飯に凝る予定。
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by 1egg2min | 2004-09-07 11:47 | TEXT