2004年 09月 27日 ( 1 )

彼のファムファタルのために作戦は深夜。

10代の頃。
わたしは彼のファムファタルだった。
少なくとも。
たぶん、あのころは。

10年経った今は
彼はわたしの男友達。
というか、
今では
本当に大好きだったひとりをのぞいて、
昔の恋人だったひとは友達になった。

背が高くてひょろひょろだった彼も
いつのまにか
すっかり男のひとに変わった。
前には飲めなかったお酒を
それでも
真っ赤になりながら
飲む。

彼のプロポーズの作戦を
私が練りながら
「もし彼女が車にひかれそうになったら身代わりでひかれられる?」
と聞くと
「うん。できる」
と答える。
「昔はわたしのことも助けてくれるって言ってたのにね」と笑って言うと
「今は無理。助けられない」
と真顔で答える。
そして私は
「車の方を自分ではね飛ばして破壊してやるから助けてくれなくていいよ。」
と笑って憎まれ口をたたく。

そして
ずっとずっと忘れられなかった恋人が
連絡をとっても、返事がないのはどういう気持なのかな?と聞くと
「嫌なんだよ。すごくキライなんじゃない。」
「それか無関心。無関心よりもキライな方がいいじゃんまだ。」
とクールに言い放つ。
全く冷たい男だ。

でも、わたしは勘違いしていたのかもしれない。
都合のいいように。
連絡をとらないのは
中途半端に期待を持たせてはいけないという彼の優しさなのだと
勝手に思いこんでいた。
でも、
彼の言うように
本当にわたしのことが、
共有した時間の全てが
全部キライで、捨てたい過去だとしたら
うざい。
わたしという存在全てが
このうえなく
ウザッたかったのかもしれない。

ごめん。
消したかったよね。
キライなんだもんね。
2年半も
ずっと好きなままでごめん。

もう、二度と口にしないと心に決めた。
愛しい想い出はすべて
誰か脳から消してよ。

すっかり酔って
ごろんと眠そうな彼に
「がんばれー」とエールを送って
仕事のまつ部屋へ帰る。

きっと
私の作戦は成功して
彼は結婚をするだろう。
こうやって
どんどんと
わたしはひとりになるね。

朝起きたら寒さで震えていて
もう
冬の匂いが
部屋にたちこめていた。

ココアでもいれよう。
私の作戦がうまくいったら
何か旨いものでもおごってもらわなきゃ。
がんばれー。
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by 1egg2min | 2004-09-27 16:15 | TEXT