走れ走れ走れ走れとタダ伝えろよシナプスに。

夜の仕事が終わって
運悪く
送りオオカミに遭遇。
深夜の墓の前に車を止められて
迫られて
なんだかうんざりして
吐き気がした。
男という生物にね。

でも、
膀胱癌に冒された
目の前にいるこの父親みたいな男のひとの
死の恐怖を思うと
セックスセックスと
強迫観念みたいに
迫ってくる言葉も
まわりを取り囲む
何千という数のお墓も、
刹那的な哀しさを帯びているように見えた。
何かから逃げたいからなのかもしれない。
それは
死とか現実とか
夢とか未来とか恐怖とか。
彼の目には
この数千の墓石が
どんな風に見えるのだろうか。

結局、丁寧にお断りしたら
素直に何もせずに送り届けてくれた。

くだらない世間話、
聞き流すための会話
セックスセックスセックス。
そんなことしか
共通言語にならない夜の世界で
(すごく勉強になることも多いけど)

みんなが
愛が足りないと
一人はさみしいと
震えているみたいに見える。
不思議だね。

走れ走れ走れと
ただ指令を送るしかないのに。
目をつぶってもとにかく走るしかないのだよ。

このドロドロの沼の底から
いつかキラキラした王子様が助けてくれるかしらなんて。

二年前のあの日に
王子様は死にました。
その日から
クラウチングスタートダッシュで
泣きながら
走れ走れ走る走れば走るなり。
脳が豆腐に変わるまで
愛しい記憶が
流れていく景色になるまで
涙が
蒸発して
いつかの雲に
変わるまで。
[PR]
by 1egg2min | 2004-10-13 03:19


<< 奇妙な誕生日。 ちっちゃくて可愛くておっぱいの... >>