この人の優しさは本能だ。「ヴァイブレーター」

自分の内なる声がうるさい。
ねえ、ねえ、ねえって。
その気持ち、すごくわかる。

赤坂真理原作の「ヴァイブレーター」の映画化で
今の自分にはまっていて痛い。
食べ吐きや、アルコール依存とか、そんなありがちな痛い設定は置いておいて、
単純に、相手役の大森南朋がよい。寺島しのぶの暗さも。
わたしは昔からこの手に弱いのだ。
「ベティ・ブルー」も、「愛のコリーダ」もそう。
気丈で、情が深くて、エキセントリックで、弱くて、愛しくてしかたなくて、それ故、混乱してしまう女と、それをただ、静かに受け入れる男。
でも、結局、救えない。待っているのは破綻してしまう愛情。
だけど、この映画は
「少しだけ自分がいいものになったような気がする」
で終わる潔さが好きだ。
結局、戻ってくる。
リアルなカサカサして、うるさいまんまの日常に。
自分の声から逃げることはできない。
逃がして貰うこともできない。

知らない男の人でも、くっついていると温かい。
でも、見極めないと行けない。
ちゃんと、その優しさは本能であることを。
最近まで、それができなかった。
だからずっと苦しかったな。

温かい。誰かにギュウと抱きしめてもらうと温かい。
自分が小さくていたいげな、柔らかい生き物になったような
いい気分。トゲトゲな皮膚がまあるくなっていく感じ。

大好きなひとがいなくなってこの2年半。
一緒にお風呂入りたいな。
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by 1egg2min | 2004-09-07 12:35 | CINEMA


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